【地理】アスワンハイダム~エジプトの治水事業

 古代エジプトは「ナイルのたまもの」と呼ばれていたように、ナイル川の氾濫によってその肥沃さが担保されていました。しかし現在、多くの住宅が建てられたナイル川下流部では、むしろその氾濫は邪魔なものとなってしまいました。

 

 そんな状況に加え、工業化を推し進めるための電力確保の目的もあり、1950年ごろのエジプトのナセル大統領は「アスワンハイダム」の建造を決定しました。

 

 その道のりは平坦なものではありませんでした。ナセル大統領がソ連に接近することを嫌ったアメリカが融資を取りやめたのです。資金確保のためにスエズ運河を国有化しようとしてスエズ戦争が勃発するなどのゴタゴタもありましたが、最終的にはソ連の融資によって建築が開始され、1971年には完成しました。

 

 この建築過程で、「アブシンベル神殿」という神殿がダムに沈むことが明らかになりました。そこで、大胆にもこの神殿を移転するという大規模な工事を行いました。誰もが知っている「世界遺産」も、この工事をきっかけに始まったものです。

 

 アスワンハイダムが完成した結果、エジプトではナイル川河口の侵食、河口付近の漁業の不振などの問題が発生してます。これからエジプトはどのような政策をとってゆくのでしょうか。

 

 

【地理】オガララ帯水層

 アメリカ中央部のカンザス州では「センターピボット方式」という方法によって大規模な小麦栽培が行われています。

センターピボット方式



 センターピボット方式とは、円形の農場でスプリンクラーを回転させることにより作物に水をやる方法です。

 

 繰り返しますがアメリカ中央部では非常に大規模な小麦栽培が行われているので、水が大量に使用されています。さて、ではこの水はどこから出てきたものなのでしょうか?

 

 答えは、地下水です。この地域の地下には「オガララ帯水層」と呼ばれる大規模な地下水帯があり、この水はここから供給されています。

 

 そんなオガララ帯水層ですが、すでに枯渇の危機に瀕しています。なんと直近の50年間で地下水の3分の2を使い果たしてしまっただとか....

 

 「世界の食糧庫」とも呼ばれるアメリカの食糧生産が停止してしまったとき、果たして世界の食糧事情はどのように変わってしまうのでしょうか。

 

 

【地理】スピッツベルゲン島

 今回紹介するのは、「1000人以上が住む世界最北の地」であるスピッツベルゲン島です。

 

 ノルウェースヴァールバル諸島に含まれるこの島は、その雄大な自然やホッキョクグマを見られることなどにより観光業が盛んな島となっています。

 

 大陸からある程度離れているため戦争が起きても被害を免れる可能性が高いと考えられているこの島は、「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」と「北極圏ワールドアーカイブ」という二つの興味深い施設が位置する場所でもあります。

 

 スヴァールバル世界種子貯蔵庫では、核戦争や気候変動などによりさまざまな植物が絶滅することを防ぐため、それらの種子を冷凍しています。実はこのような施設はすでに世界に1000個以上あるそうですが、ここほどの設備を備えたものは他にないそうです。

 

 北極圏ワールドアーカイブでは、さまざまな文書やプログラムが保存されています。プログラムの中には、一般人がGitHubに投稿したプログラムもあるとか。僕もぜひなんらかの作品を永久保存されてみたい...